生活2

4月から住む街と働く場所が決まった。予想していた場所とは違くて、嬉しい誤算だった。私が1番自由を感じていた街の近くに住めるようになったから、通知を見たとき喜びと驚きで震えた。またあそこに住める。またあそこを歩ける。あそこに住んでいたとき私は1番自由だった。好きな時間に外を歩いて、好きな時間に眠って遊んで、一生このままがいいなあと何度も思った。

自由には孤独がつきものだと思っているけど、その孤独すら心地よかった。一人暮らしの1Rは狭くて、冬には凍えるほど寒くなる。夜には何の音もしなくなって、ひどく静かな空間に一人ぼっちなことが怖くなる。それでも、そこに自由はあった。わたしはここでたったひとり、生きていて良いのだと思うと心が軽かった。わたしの存在を、わたし自身が受け入れて愛していけるような気がした。誰に許されずともわたしはここにいる。その感覚が心地よくて、故郷に帰りたいと思ったことは一度だってなかった。

また、あの感覚を得られるのだろうか。嬉しい。今度は働きながらになって、以前とはまた生活が変わってくるだろうけど、きっと、また自由を感じて暮らすことができる。不安はあるけど、それよりももっと楽しみの方が多い。